ガラクタは 「お宝」の山
R‐フィールド氏
イノシシの頭がい骨、便用ずみタオル、スーパーの袋。それらが、流本やさびた鉄パイブ
を組み合わせた構造材の上に配置されている。いわば、廃棄物で作ったクリスマス・ツリー。
凡俗の目にはガラクタの山でしかない。
在日十年、英国人の彫刻家リチャード・フィールド一氏(47)のアトリエ風景だ。
ガラクタ素材の位置をあれこれ変えてイメージを喚起し、四方八方からスケッチする。
見せてもらってあっと驚く。
尊敬するセザンヌ、カンデインスキー、ロダンを融合すれば確かにこんな世界になるのだろう。
イメージを明確にして初めて粘土で造形にかかる。完成品は樹脂製。
新作が今夏、姫路市美術展の彫塑部門で市長賞を受けた。
見る人ごとに自由な連想が働く流動する生命体である。パリの美術学校で学んだ。
夫人は縄文のイメージ画で知られる安芸単穂子さん(40)。
「芸術とは、見ること、見ること、見ること」。
かんだ鼻紙のしわしわに美を見、山では動物の白骨に魅せられる。
安芸の宮島でじっと空を見つめていた。神社でも? と思った早穂子さんに黙って指さしたのは、
電柱にわっと交錯する電線だった。
粗大ゴミ収集の朝は忙しい。名作の素材、「お宝」の山が呼んでいる。(木村勲)
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