杉浦日向子の「4時のオヤツ」を読みました。オビに「江戸から昭和の東京が匂い立つ、ショートストーリーズ」とあるように、オヤツのあるシチュエーションを、会話だけでつくりあげていっちゃうストーリーがいっぱい。
取り上げられているオヤツが「あ、これは知ってる」っていうものから「聞いた事ないなぁ…」なんてものまで多岐にわたっていて、なかには気になって是非食べてみたいアイテムも。一番最後に載っている掲載店一覧を参考に行ってみないとね。なかには<残念ながら閉店>となっているものもあって、あぁ、これはもう手に入らなくなったけど、この本の行間で永久に生き残って行くのかなぁ…なんて思ったりして。
あと文章に添えられてる写真がとても素敵。食べ物写真を撮るものとしてはぜひ参考にしたいですね。回りの色と空気がどんなに美味しさをひきたてるか、それは計り知れないですよ。
書かれたのは90年代ですが、舞台となっているのが昭和60年前後ぐらいの感じなので、「ソバージュにボディコンの服を着た女」なんてフレーズが懐かしい中に気恥ずかしさも漂います。