何年かに一度どうしても読み返したくなる本がある。それは「処女少女マンガ家の念力」。
これ大好き。舞台は1984年の下高井戸。下高井戸って実在する地名なんだって東京に来るまで知らなかったんだけどまぁそれはいい。マンションの一室で繰り広げられる姉妹とそれを囲む人々のやり取りは、まぁ、たしかに当時の風物(「君に胸キュン」だとか、緑色の世田谷線だとか)はもう懐かしの域に入ってしまってはいるけれど、ドタバタ具合は現在におかれても色あせることなく存在できると思う。姉妹は周囲をカオスに巻き込んでは逆回転して元の姿へと戻っていき、その姿は常に変わらない。(とか文体を真似てみたがうまくいかない)
しかしねー。
実はこの本引っ越しした時にしまい込んで以来(何年前だ!)、家庭内行方不明になっていたのでした。読みたくても読めない。それが先日押し入れの整理をして3年間一度も日の目を見なかった文庫本の山をブックオフ送りにした際に発掘されたんですよ。うふふ。また読めるよ。
うちにあるのは再発されたほうじゃなくて角川文庫版の初版。しかし読みすぎて岡崎京子イラストのカバーは破れ、本は焼けだらけ…もっと大事にするべきだった。